葉の多様性から育種について考えてみた。Breeding Science誌に総説論文が掲載されました

トマトと言えば、赤くて丸い果実を思い描く人が大半だと思います。そんなトマトの育種について、葉の発生の研究をしてきた3人の研究者でまとめた総説が発表されました。私たち3人ともアメリカのカリフォルニア大学デービス校のProf. Neelima Sinha研究室で留学の経験があります。時期は異なるので、一緒にアメリカで過ごしてきたわけではありませんが、3人ともトマトの葉の多様性について研究をしてことがあり、一見つながりが見出しづらいトマトの果実と葉について分子レベルで考察をしてみました。トマトの育種について新しい視点を提供できたと自負しておりますので、ご興味のある方はぜひ読んでみてください。

総説論文はこちら:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsbbs/advpub/0/advpub_22061/_article/-char/en

チームリーダー
市橋 泰範
Yasunori Ichihashi

共同研究成果がプレスリリースされました

2つの共同研究プロジェクトが同時にプレスリリースされました。本チームの得意とする網羅的遺伝子発現(トランスクリプトーム)解析およびバイオインフォマティクス解析を中心に担当しました。

プレスリリース1はこちら
https://www.riken.jp/press/2020/20200807_4/index.html

プレスリリース2はこちら
https://www.riken.jp/press/2020/20200807_5/index.html

チームリーダー
市橋 泰範
Yasunori Ichihashi

共生、寄生、再生について発生学の視点で考えてみた。Frontiers in Plant Science誌に総説論文が掲載されました

植物は固着性の生物のため、体を作り変えながら、環境の変化に柔軟に対応しております。このような現象は、発生リプログラミング(developmental reprogramming)と呼ばれております。今回私たちは、発生リプログラミングの典型的な例として、根粒共生、寄生植物の寄生、傷に応答した再生についてこれまでの学術的な知見をまとめ、公開データを使って比較解析をしました。その結果、上記の共生、寄生、再生は一見形態的に異なる現象なのですが、細胞レベルでは共通なイベントが起きており、さらに同じ遺伝子群(ARFやLBDという遺伝子)が使われていることがわかりました。今後これらの遺伝子を中心に発生リプログラミングの研究が進むことにより、植物ならではの生存戦略の秘密が解明されると期待されます。

詳しい内容は、こちらの総説論文で紹介しております
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpls.2020.01084/abstract

チームリーダー
市橋 泰範
Yasunori Ichihashi