マイクロバイオーム解析をハイスループット化!Scientific Reports誌に論文が掲載されました

今回私たちは磁性ビーズを使ったDNA抽出法とエキソヌクレアーゼによるPCR精製を組み合わせることで、従来のマイクロバイオーム解析のライブラリー作成をハイスループット化することに成功しました。
私たちの方法は従来の方法と同等なデータの質を維持しながら、労力とコストを大幅に削減することができ、自動化にも相性が良い手法です。植物マイクロバイオームとして、シロイヌナズナ、ダイズ、イネ、ミナトカモジグサ、アブラナ科植物の根サンプルでの実績があり、土壌マイクロバイオームとして、灰色低地土、黒ぼく土、泥炭、褐色森林土での実績があります。
また民間企業様との共同研究により、今回の論文で発表した方法よりもさらに幅広い土壌サンプルから高精度でDNAを抽出できる技術も開発できております。
シーケンス技術やデータサイエンスの進展に比べて、DNA抽出〜ライブラリー作成といったサンプル前処理は泥臭いマニュアルな工程であり、マイクロバイオーム解析のスケールにおいてボトルネックとなっています。本研究開発は、そのボトルネックを解消してハイスループット化に資するものであり、今後の学術研究ひいては社会貢献に貢献できると期待しております。

原著論文はこちら:
https://www.nature.com/articles/s41598-022-23943-x

チームリーダー
市橋 泰範
Yasunori Ichihashi